めるへんの道徳箱

人生の中で思ったことを書き連ねるよ。

化学探偵Mr.キュリー6

 

化学探偵Mr.キュリー6 (中公文庫)

化学探偵Mr.キュリー6 (中公文庫)

 

化学反応は恋愛でも起きるのか。 

 

天才の悩みって意外と素朴だなぁと思った今回。沖野の人の良さ・性格・人間味が味わえます。そんな悩みを持った沖野が七瀬の影響を受けているということなのかもしれない。氷上さんと同じこと言ってるかな。

 

喜多さんの作品は大好きで、半分以上を読んでいると思うのですが、その中でも大好きなキュリーシリーズ初の長編。いつもの短編も良いけど、長編だと物語に奥行きがあってまた素敵。また、歴代の登場人物が出てくるところは、七瀬とともに胸を熱くしました。

 

主人公たちは相変わらずの沖野・七瀬コンビ。ゲストである二人の男女もまた、とても素敵な絆がありました。ところで喜多さんが理系ということもあってか。作品で化学×恋愛という流れが結構あります。熱を加えたり、融かしたりすることで二つの物質が、まったく別の物質になってしまう化学反応ですが、恋愛もそうなのかもしれません。一人一人の人間が恋愛という要素が加わるだけで、とてつもないエネルギーを発揮することがあります。化学反応になぞられるなら、恋愛反応ですかね。理屈で説明できるものとできないもの。似てないようで似ている二つなのでしょう。

そんな化学では説明できない人ならではのものが詰まったすばらしい作品です。