お任せ!数学屋さん
([む]2-1)お任せ! 数学屋さん (ポプラ文庫 日本文学)
- 作者: 向井湘吾
- 出版社/メーカー: ポプラ社
- 発売日: 2015/04/03
- メディア: 文庫
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数は人を裏切らない。
今回は「お任せ!数学屋さん」を読みました。
もともと、私が書店で見つけたわけではなく、私がこの本を好きそうだということで紹介してもらった本です。数式や数学の理論があるから読むのが大変かもと言われたのですが、学生時代は得意分野だったため、舐めてくれるなよと思いながら読みだしました。予想に反してこの本に出てきた数学はかなり本格的なもの。数学嫌いには少し大変かもしれませんね。
しかし、数学があまり分からなくても数学の世界の持つロマンは充分に伝わる1冊だと思います。
題名の通り、「数学屋さん」なるお店を中学校で始める宙とその補佐役の遥のお話。正直、そんな中学校ある?というくらい出てくる人出てくる人が良い人だし、頭いいし……。これ、中学生だよね?と何度も確認しました。
中学校のリアルというよりかは少女マンガにでてくるなぜか絶大な権力をもった生徒会とかそういう感じ。ライトノベルとかそういう方向ですよね。
そう考えると、最後の数式はとてもロマンや愛情、人間というものがあふれたものだと思いました。
本全体としてはまとまりが私にはあんまり伝わってこなくて、感情の流れについていけませんでした。数式のミステリーと読むのか、数式を交えた学園ものなのか、恋愛ものか……。どれとも読めるのですが、私はどれともしっくりきませんでした。
ある意味、新ジャンルなのかもしれません。
宙くんが常識ないこと、そしてそれを少し気にしているのは人間らしくてよかったです。遥が何でもできる美人の親友真希に嫉妬ももたずに接していられるのは本当に尊敬します。人間としてきれい。私が汚れているだけでしょうか。翔の複雑な心境はもっとクローズアップしてみたかったですね。登場人物の中で一番人情味にあふれていると感じました。
これ、実は2も出ているので、時間を見て読みたいと思います。数学の宇宙のように広いロマンに出会いたくなったときに手に取りたい1冊です。